中之郷地区にある「めゆ工房」を訪ねました。
全国の染物、織物に興味のある方が必ず訪れます。
1984年に山下めゆさん、1986年に八百子さんが東京都の指定無形文化財技術保持者に認定され、現在は芙美子さんが受け継いでいます。
黄八丈の歴史は古く、江戸時代には歌舞伎の衣装に使われたり、
お医者さんが着ていたりと大変重宝されたようです。
黒は椎の木の皮、樺色はマダミ(タブの木)、黄色はカリヤス(コブナ草)などの
草木染めで、鉄分を多く含んだ「沼づけ」(泥染め)や、椿や榊の灰から作った「灰汁」(アク・媒染剤)で最後に仕上げます。繰り返し揉みこみながら浸け込むので大変な作業です。
お蚕様も私の小さい頃はどこの家でも桑の葉を敷いて育てていたものです。
カリヤスの草も刈りこんできては売り、母の副収入源になっていたようです。
そういえば、どこからか機織り機を借りてきて織ってたな。
私も織ってみましたが、手の力加減で織りムラができそうでやめました。
糸を張るのも大変な作業です。高級なわけですね。
黄八丈の半幅帯は持っていますが、反物にはとても手が届きません……(T_T)
柄の入れ方で誰が織ったものかもわかるそうですよ。
反物には平織と綾織り(まるまなこ)があって、
まるまなこ織りの技術は相当のものです。 欲しいなあ~。。。
「かっぺた織り」といって幾何学文様を編み出す原始機もありますが、
畳に座り込んで織る、今や「幻の機織り機」と言われています。
帯は着崩れしないのでおすすめです。
おみやげにはお財布や小物入れなどはいかがでしょうか。
織りの技術もそうですが、
もともとの「染め」の技術がないと黄八丈の存続が危ういです。
国、東京都、八丈町といった行政機関が文化継承に力を貸して欲しいものです。
めゆ工房の旦那さんがお庭で染めた絹糸を干している姿が懐かしいです。
その周りはガーデニングのお花でいっぱいでした。
その旦那さんがいなくなってお花が少なくなったのも寂しい限りです。
近年、黄八丈の着物を着て歩きましょうの会みたいなものがあって、
宣伝の一環なのか銀座やあちこちに出現しているようです。
八丈島の「めならべ」(若い美しい人)??出会えましたらラッキー(^^♪
黄八丈の着物は樫立踊りブログで参考にしてくださいね。
https://www.nago-mi-ya.com/2019/09/25/樫立踊り/
ちなみに黄色だけのイメージですが、
樺色、黒八丈のモダンな色合いの反物も出ているようで奥が深いです。